売り手市場が続き、大手企業においても人材採用が課題になっている国内の採用市場。労働人口の長期的な減少が危機感につながり、今後さらに人材獲得の競争が激化していくことが予想されます。

世界No.1の求人検索エンジン*Indeedの日本法人Indeed Japan*(以下、Indeed)では、大手企業における人材採用の新しいスタンダードをつくるため、Client Success(以下、CS)チームを設立。手厚い研修と社内のベストプラクティスの共有で、業界未経験からエキスパートへ成長できます。

Yumi Saijo, Senior Client Success Specialist, Dedicated

今回は、CSチームで活躍しているメンバー2人のキャリアを紐解きながら、入社後に身につけたスキルや、Indeedの働きやすさについてご紹介します。

*出典:comScore 2023 年 9 月訪問数

Yumi Saijo

2018年SaaS企業に新卒で入社し、マーケティング部門で製品プロモーションを担当。2020年Indeed Japanへ入社。2021年に現在のポジションに昇格し、既存顧客の課題解決に向けた運用サポートを担当。

Chihiro Matsuo, Senior Client Success Specialist Dedicated

Chihiro Matsuo

2018年大手建設会社に新卒で入社し、BCP(事業継続計画)策定業務などに従事。2019年採用コンサルティング会社へ転職し、クライアントサクセスとして採用企業へのヒアリング、Indeed活用提案を含むサービスの導入、継続・アップセル提案に従事。2021年Indeed Japanへ入社。2022年に現在のポジションに昇格し、新規顧客の課題解決に向けた運用サポートを担当。

 

 

決め手は、絶対にブレることのないコンセプト

これまでのキャリアについて教えてください。

Saijo: 大学時代にデジタルマーケティングを専攻し、学生時代にはアルバイトやインターンでマーケティング業務を経験しています。その後、SaaS企業のマーケティング部門に入社し、製品プロモーションを担当しました。業務内容は、広告運用、SNS運用、製品のガイドブック作成、さらにはWebサイトのリニューアルまで多岐にわたります。

幅広い業務に携わる中でジェネラリストへの成長を後押しされていた一方で、私自身はスペシャリストとしてキャリアアップすることに魅力を感じていました。専門性を身に付け、特定の分野に精通していきたかったので転職を考え始めました。

目指すキャリアを実現するため、もっと厳しい環境に身を置きたい想いもありました。当時の職場は非常に働きやすかったものの、明確な数値目標や個人KPIが設定されていませんでした。業務自体も学生時代から慣れている仕事ばかりを選んでしまい、新たな刺激を受けることに挑戦できずにいたのです。自分のスキルを高めるため、新たな環境で苦手なことにもチャレンジしたいと考えていました。

Matsuo: 私は新卒で大手の建設会社に入社し、本社の総務室でBCP(事業継続計画)の業務に携わっていました。災害などの緊急事態において、被災したエリアの建物に対し迅速に対応できるよう、人員配置や機材調達について考える仕事です。建設業界でキャリアをスタートしたのは、働きやすい環境を実現するための組織づくりに興味があったからです。

しかし入社後には、建設業界における人材不足の現状を目の当たりにし、業界における一般的な採用活動や手法に課題があるように感じるようになりました。人が足りないから重労働が増え、その結果として離職率が高まっていく。そのような現状を実感したタイミングで友人から採用コンサルティング会社を紹介してもらいました。採用側から業界の課題を根本から解決していきたいと考え、転職を決意しました。

2社目の採用コンサルティング会社では、Indeed広告の販売代理店としての業務も行っていました。私はCSとして、お客様のサービス導入支援や、アップセル・クロスセルの提案を担当。幅広い業界に対応しながらIndeedを使い込み、採用の成果にこだわりながら働いていました。応募獲得だけではなく、なぜ・どんな人材を獲得したいのか、採用後はどのように活躍する場があるのか、顧客へ深掘りしながら採用支援を行なっていました。

多くの選択肢がある中で、Indeed Japanへの入社を決めた理由は?

Matsuo: ブレない事業運営に惹かれました。入社前はIndeedをユーザーとして3年ほど利用していましたが、その中で非常に驚いたのは「アップデートの多さ」でした。またどのアップデートも「Job Seeker First(すべては求職者のために)」のコンセプトに基づいていることを感じていました。実際にIndeedが代理店向けに行っているプロダクトアップデートの説明会に何度か参加しましたが、アップデートがコンセプトからブレていると感じたことはなく、採用企業だけではなく、その先の求職者のために働き続けられることが入社の決め手です。

Saijo: 私がIndeedを選んだ理由は、Client Specialistという仕事で、企業の採用担当をされているお客様と深い関係性を築くことができるから。前職のマーケティング業務は、ユーザーと直に接する機会が限られていたこともあり、ユーザーの顔が見えづらい部分がありました。一方でCSの仕事は、目の前のクライアントと日々直接コミュニケーションをとって課題を解決していきます。苦手意識を持っていた顧客とのリレーションに取り組みながら、自分の専門性を高めていきたいと思いました。

業界未経験から活躍できる、手厚いフォロー体制

現在の業務内容について教えてください。

Saijo: Indeedのサービスを利用している大手企業の運用サポートが主な業務です。CSメンバー1名あたり数十社のクライアントを担当し、営業メンバーとペアになってクライアントの自社採用を支援していきます。お客様の課題を抽出することはもちろん、パフォーマンス指標(KPI)や予算設定にも携わりながら改善策を提案し、採用の成功へ導くことが私たちのミッションです。

Matsuo: エンタープライズ領域のCSは新規顧客をグロースさせるチームと、既存顧客をサポートするチームに分かれています。というのも、大手企業で新規のお客様の場合、スモールスタートになることが多く、最初に実績を出して信頼を勝ち取っていく必要があります。例えば、まずは3店舗で採用を成功し、100店舗まで拡大していくなど。最初のグロースを新規顧客対応のチームが担当し、その後は既存顧客サポートのチームへ引き継ぎます。

転職してから苦労したことはありましたか?

Saijo: 前職のマーケティング業務は、販促物の制作やWebサイトのリニューアルが主な仕事で社内折衝がメインだったため、電話対応の経験がほとんどありませんでした。そのため、クライアントとの会話で新たな価値を生み出していくCSの仕事に戸惑うことが多かったです。Indeedで最初にお客様からの電話を取ったとき、思わず手が震えたのを覚えています。

でも、成長したいと思って転職したので色々と努力しました。スクリプトを自分でつくってマネージャーにフィードバックをもらったり、メンターにロープレを組んでもらったり。なにより、キャッチアップのベースとなる入社後の研修がとても手厚かったので本当に助かりました。

業界の経験がなかったので不安もありましたが、同期が業界未経験のメンバーばかりだったので、仲間意識が芽生えて安心感がありました。百貨店、金融、メーカーなど様々な業界で経験を積んだメンバーたちと切磋琢磨しながら、楽しく仕事を覚えられました。

Matsuo: 私が戸惑ったのは、英語を使用した社内のコミュニケーションです。プロダクトエラーが起きた際に、顧客が一番に事象に気づきCSに連絡してくれることが多くあります。CSからプロダクトチームへエラーの報告を行いますが、その時の言語は基本的に英語です。入社時に必要な英語力(TOEIC 700点以上)はクリアしていたものの、正確かつ迅速に伝える必要があり、慣れるまで苦労しました。

そのキャッチアップも、社内に蓄積している過去のコミュニケーション履歴を見ることで、スムーズに進められました。Indeedは社内用語が多いので、社外のテキストよりも社内のデータの方が遥かに役立ちましたね。エラーが起きたときに他のCSはどのように対応しているのか確認できたので、実践的に学ぶことができて助かりました。

CSチームの強みについて教えてください。

Saijo: クライアントも気づいていない採用に関する本当の課題を見つけ、最適な改善策を提案できることが、私たちCSチームの強みです。それを実現できる背景として、社内に蓄積した今までのベストプラクティスがあります。毎週のようにあらゆる業界の採用成功事例が共有されるので、それらのナレッジを自分の案件に活かせます。

Matsuo: 自分の知見をチームに共有し、全体を底上げしようとするメンバーが多いからこそ、成り立っている仕組みだと思います。他のメンバーからは、普段の働き方でも刺激を受けることが多くあります。指示を待つことなく、自分から積極的にアクションをとる。その前に必要なことも、依頼される前にやっておく。クライアントやチームのため自分で考えて行動できるエキスパートが集まっていると感じています。

 

組織に踏み込んで、真の課題を解決する

日々の提案で、人口が少ない地域など求職者を集めにくい採用条件もあると思うのですが、どのような提案を行なっていますか?

Saijo: その地域だけでは候補者の人数が少ないことが多いので、県外など広いエリアに目を向けることを提案します。例えば、UターンやIターン、それに加えて最近ではリモート勤務で首都圏から離れる人もいるので、候補者になりうる層がどんどん広がっています。

また、経験者層を採りたいのであれば、競合他社と比較したときにどの部分がデメリットになっているのか伝えることも重要です。なぜ転職先として選ばれていないのか、データを基に話すようにしています。クライアント側にも、しっかりと課題を認識してもらうことが大切です。

また、「本当に経験者層の採用が必要なのか?」という根本に立ち返り、緩和できる条件とそうでない条件をクライアントと共に整理していった結果、未経験者の採用に幅を広げる選択肢が生まれるなど、新たな改善策に繋がることもあります。お客様に寄り添うだけでなく、求職者の利益にもつながるマッチングを実現できることが、この仕事のやりがいです。

Matsuo: 地方採用の成功事例として、私のチームリーダーが取り組んだ八丈島における「大工」の採用案件があります。島内だけでは候補者が圧倒的に不足していたため、都内や他の地域でも人材を募集しました。島に移住したいと考えている層にアプローチした結果、見事採用に成功しています。現在も八丈島の魅力をPRしながら幅広く人材採用をサポートしているので、一つの成功事例として社内で共有されています。

どんな時に仕事の醍醐味を感じますか?

Matsuo: クライアントとのミーティングで自分の知見が深まり、それを新たな提案に活かせる時です。私が担当しているお客様の中には、Owned Media Recruiting(オウンドメディアリクルーティング)推進のため自社サイトを新たに構築される企業も多く、ミーティングには各領域のスペシャリストが参加します。サイト構築を支援しているSEOコンサルタントや企業のマーケティング担当、人事責任者などが、様々な角度から意見を出し合います。Indeedのスペシャリストとして高度な意見を求められることもありますが、自分の学びになることが多く、新たな提案に活かすことができます。

Saijo: 私がやりがいを感じるのは、サービス提供に留まらず、採用コンサルタントのような立場でクライアントの課題解決に貢献できる時です。例えば、ある企業では採用単価をKPIに掲げていたものの、繁忙期の採用単価が高騰しており、年間の目標達成を逼迫していました。そのときに行ったのは、スポット採用からの脱却を目的とした年間採用計画の立案です。課題を深く掘り下げることで、最も効率的な予算のかけ方が見えてきました。

年間採用計画の立案にとどまらず、採用後のスタッフ育成や職場定着まで、お客様のために踏み込んで考えることで、根本的な課題解決を実現しています。

転職後にどんなスキルが高まったと感じていますか?

Saijo: Indeedの管理画面では、求人の表示回数やクリック数など、細かいデータを見ることができるので、多角的な分析力が身につきます。また、それらのデータから現状と理想のギャップを埋める課題解決の方法を導き出し、ロジカルに提案する能力も養われます。それに何より、私にとって課題だったコミュニケーションスキルも一気通貫で磨き上げられるので、日々の仕事に大きな手応えを感じます。

それらの成長の背景には、社内で繰り返す日々のインプットとアウトプットがあります。クライアントやCSチームとの会話でインプットできる内容は様々あり、それらを次のミーティングで即座に活かし、アウトプットできます。経験を積む中で提案の引き出しが増え、新たなスキルが磨き上げられていくような感覚です。 さらに社内では、人材業界に関する勉強会も定期的に開催されているので、私のような業界未経験者には非常に助かります。

Matsuo: 私は営業の視点をインストールしながら、コミュニケーション力が高まっていると感じます。受注後にも営業担当者が伴走し、私たちCSとの二人三脚で進めていくので、お互いの強みを活かしながらお客様へ大きな価値を提供できます。ときには、運用や採用戦略に関する改善策を営業と一緒に提案して、新たな成果につながることも。セールスの視点や考え方を学ぶ機会も多いので、日々刺激を受けますね。

プロダクトと共に進化し続ける

Senior Client Success Specialist(以下、Senior CSS)として、どんなことを意識していますか。

Saijo: CSSからSenior CSSにステップアップしてから心がけているのは、他のメンバーの先行事例になることです。失敗を恐れることなく新たなことに取り組み、その経験をチームに共有するようにしています。最適なソリューションを常に探しながら、挑戦心を持って働けることが、他のポジションにはない楽しさだと思います。

Matsuo: Senior CSSになったことで、大手企業のステークホルダーと接することも多くなり、データに基づいた正確な分析を一層意識するようになりました。お客様が持っている知見も豊富なので、ヒアリングで可能なかぎり吸収しながら、積極的に他のメンバーに共有するようにしています。また、社内のミーティングでも各部門の責任者から意見を求められる機会が増えているので、仕事に対する意識が自然と高まっていきます。

CSチームで求められるマインドやスキルセットは?

Saijo: クライアントに満足してもらうのは当たり前で、重要なのはお客様の期待をいかに超えられるのか。そのため、率先してアクションを起こしたり、多角的な視点での提案力を持った人が求められます。積極的に新しいことにも挑戦し、失敗しても次に生かしていくマインドが重要だと思います。

Matsuo: 私も粘り強く長距離走のような感覚で伴走していくことが重要だと思います。転職市場では1~3月が繁忙期と言われていますが、当然ながらそれ以外の時期にも継続的に採用活動を行う必要があります。有効なアクションを続けていくことは、大手企業の人材獲得をサポートする上で、何より必要なスキルかもしれません。

最後に今後の展望について教えてください。

Matsuo: 私のように代理店からIndeedに入社したメンバーはほとんどいないので、主に顧客への運用提案の分野で自分の経験やノウハウを社内に展開していきたいと考えています。どんな提案していくのか、そのための事前準備としてデータをどのように分析してまとめるのか。自分のスキルもさらに高めながら、チームの成長に貢献していきたいと思います。

Saijo: 今後のキャリアとしては、マネジメント職に興味があるので積極的に挑戦していきたいと考えています。以前の自分であれば思いもしなかったことですが、Indeedに転職したことで、苦手だった他人とのコミュニケーションを克服し、自分の可能性を広げることができました。進化し続けるIndeedのプロダクトのように、今後どこまで成長できるのか自分でも楽しみです。