【社員インタビュー】機械学習で求職者に寄り添いたい。多様なエンジニアが活躍する、Indeedの技術環境

若年層の労働者不足が深刻化している日本社会において、近年注目されている機械学習(Machine Learning)。急速な発展を続けるAI領域のコアを担う技術であり、あらゆる業界で活用されています。

Derick Anderson in front of "We help people get jobs" sign世界No.1の求人検索エンジン*Indeedの日本法人Indeed Japan(以下、Indeed)は、高度な機械学習とアルゴリズムを駆使して、求職者が定めた条件に合う情報を提供しています。

今回は、機械学習に取り組むプロダクト開発チームで、求職者のニーズに応じた企業情報を表示させる仕組みの改善を担当しているデータサイエンティストに、Indeedの開発環境とエンジニアとしてのキャリア実現について聞いてみました。

*出典: Comscore 総訪問数, 2021 年 9 月

 

Derick Wayne Anderson

2019年にアメリカの大学院で修士過程を修了し、日本のベンチャー企業に入社。機械学習エンジニアとして推薦システムや情報検索システムの開発に従事。2022年にIndeed Japanへ入社し、最新の深層学習等を使って求職者にニーズに応じた企業情報を表示させる仕組みの改善を担当。

 

最新の深層学習を駆使するチームに強く惹かれる

ーー日本で働くことを決めた経緯を教えてください。

 

出身はアメリカですが子どもの頃に空手を習っていたこともあり、日本の文化に元々興味がありました。学生時代には独学で日本語を習得しています。アメリカの大学でコンピューターサイエンスを専攻して機械学習について学ぶなかで、長期インターンシップを日本で経験。AI技術を持った日本のベンチャー企業で、興味のあったコンピューターサイエンス関連の仕事に携わっています。

東京の生活が楽しく快適だったこともあり、インターンシップが修了してからも日本で働きたいと思いました。アメリカでの修士課程を修了してから日本で就職活動に取り組み、機械学習を積極的に活用しているベンチャーに入社。他にも色々な企業から内定をいただきましたが、機械学習の分野でキャリアを積めることに魅力を感じて入社を決めました。

 

Derick Anderson and teamーー前職ではどんな業務に携わっていましたか?

機械学習エンジニアとして、推薦システムや情報検索システムの開発に従事していました。主に取り組んでいたのは、ユーザーごとに最適な情報が表示されるレコメンドエンジンの開発です。アプリを開いたときに、ユーザーにとって最も見たい記事が真っ先に出てくるUI/UXを目指していました。

最適な情報を表示するためには、ユーザーがどんなニュースを見たいと思っているのか、AIが高い精度で予測できなければいけません。何万もの記事から求められるものを自動で選び出せるように、機械学習を用いたシステム改善に日々取り組んでいました。

 

ーー転職しようと思った理由を教えてください。

在籍した3年間で色々なことを学ぶことができましたが、新たな環境で挑戦することにより、さらにエンジニアとして成長できるのではないかと考えるようになりました。経験したことのない業界で機械学習のスキルを応用すれば、今までにない気付きがあるかもしれない。そんな風に考えながら、自分に合った新天地を探し始めました。

 

ーー複数の選択肢があるなかで、Indeed Japanに入社した決め手は

最新の深層学習などを活用しながら求職者のニーズに応じた企業情報を表示させる仕組みの改善をしているチームに魅力を感じたからです。Indeedでは、長年蓄積してきたデータに基づき製品を設計し、サービスを改善しています。

実は他にも、世界で有数の大手企業から内定をいただいていたのですが、理想的な形で機械学習をチームミッションの中心に捉える会社で新たな挑戦をしたいと思い、入社を決めました。

 

求職者と企業にとって、最適なアルゴリズムを構築

ーー現在の業務内容について教えてください。

Matching Scienceチームは機械学習の改善を担当するグループと、システム自体を最適化するグループの2つに分かれています。私は主にアルゴリズムの改善を担当するチームに所属しながら、それらの情報技術をビジネス課題に応用するため、インフラやシステムを最適化することにも携わっています。

グローバルチームで新たなアルゴリズムを導入することもありますが、弊害が起こる可能性もあります。システム全体を注意深く見ながら、調整していく必要があります。

 

ーーアルゴリズムをどのようにアップデートしているのですか。Derick Anderson Smiling

機械学習の特徴量を少しずつ積み上げていく、つまりユーザーに届ける情報の精度を高めていくことは、日々多くの場面で行われています。それとは別に、私たちはアルゴリズム自体の大規模なアップデートにも取り組んでいます。

例えば、現在のアルゴリズムは履歴書を直接読み込んで理解することができません。しかし、最新の深層学習などを駆使すれば、下処理などに履歴書を落とし込まなくても、直接読み込ませることが可能になります。グローバルチームでこの仕組みを実装することで、今まで以上に最適な情報を求職者に届けられると思います。

 

ーー仕事の進め方について、前職との違いをどのように感じていますか? 

前職のベンチャー企業は、高い目標を短期的に達成しようとしていたので、プロダクトで常に結果を出すことが求められました。エンジニアとしてのスキルを大きく高めることができましたが、同時にプレッシャーを感じていたこともあります。一方で、Indeedは中長期的な視点を重視しているので、進め方に余裕があると思います。

その背景として、IndeedはJob seeker firstなプロダクトを目指しているので、早急に結果を求めることがありません。エンジニアとしては、プロダクトの使いやすさを追求しながら開発アシスタンスに集中できるので、非常に働きやすい開発環境だと感じています。

 

ーー日々の業務で感じる、仕事のやりがいについて教えてください。

人生において重要な仕事探しをサポートする、Indeedのプロダクトをつくっていることに日々やりがいを感じています。日本の場合、少子高齢化の影響でこれからさらに人が足りなくなり、企業にとって採用は今まで以上に課題になってくると考えられます。新たな人材を採用できないと企業活動がストップするなど、危機的な状況に陥る可能性も。採用サービス無しでは事業運営が成り立たないケースも散見しているので、Indeedが社会に与えるインパクトは非常に大きいと思います。

 

ーー転職後にどんなスキルが高まったと感じていますか

前職は新卒だったこともあり先輩たちから学ぶことが多かったのですが、Indeedに入社してからは自分の経験やノウハウを後輩に伝える場面も増え、マネジメント能力が高まったと感じています。プレイヤーとして成果にコミットしながら人材育成にも取り組むことで、今までにない気付きや発見があり、他のメンバーから新たな刺激を受けることも多いです。

 

Derick Anderson sitting with team多種多様なメンバーで、新たなプロダクトを生み出す

ーーチーム内のメンバー構成について教えてください。

アメリカ、イタリア、日本、中国、台湾、インドと多国籍のメンバーで構成されています。生まれ育った国によって文化や価値観は大きく異なるので、Indeedのミッションやカルチャーをチームの行動指針にする必要があります。

一般的な日本企業の場合は日本の文化をベースにしてカルチャーをつくることもできますが、私たちはグローバルなチームなので、Indeedのミッション、ビジョン、バリューに沿って働くことが重要です。

 

ーー仕事を進める上で苦労したことはありますか?

Indeedには一人ひとりの経験やノウハウを活かしながら、お互いに高め合えるカルチャーが根づいているので、仕事がとても進めやすいと感じています。年齢や年次に関係なくフラットに意見を交わせるので、とても居心地がいいですね。

私たちのチームに限らず、Indeedで活躍するメンバーのバックグラウンドは多種多様ですが、英語をベースにした円滑なコミュニケーションが行われており、社内コミュニティもたくさんあります。

 

ーー日々のコミュニケーションをどのように行なっていますか?

基本的にリモートワークなので、Web会議ツールやビジネスチャットツールを活用しています。オープンな雰囲気なので、わからないことがあったら気軽に質問してすぐに回答を得られます。また、私たちはエンジニアのチームなので、技術的なコードを通してお互いの考えていることを理解できることもあります。いわば、アスリートが競技を通してチームワークを深めていくような感覚に近いかもしれません。

また、個々の知見を全体に共有する勉強会もチーム内で開催しています。最近どんな論文を読んだのか、どんな最新技術を導入したいのかなど、定期的にそれぞれの経験や考え方を全体に落とし込み、その後の業務に活かしています。

 

ーー多様なメンバーで、どのようなシナジーが生まれるのか教えてください。

Derick Anderson and Yuto Yagi

 

Indeedのプロダクトは世界60ヶ国以上で展開しているので、それぞれの国において最適なプロダクトをつくろうとするときに、社内の多国籍なメンバーの経験や感覚がとても役立ちます。その国の文化を体感していれば、そこで暮らしている人々が何を求めているのか、リアルなニーズを理解できるからです。

例えば、グローバルチームの中にインドに精通しているメンバーが数人いれば、インドの 市場でどのようなプロダクトが成功するのか、感覚的にいくつかのアイデアを導き出すことができます。一方で、インドに行ったことのない私が担当したら、リサーチに多くの時間が必要になるでしょう。もちろん、詳細なデータを集めて検証も進めますが、その前提となる仮説構築やリサーチをスピーディーに進められるのです。多国籍なメンバーで繋がりながら精度の高いプロダクトを生み出せるのは、私たちMatching Scienceの大きな強みだと思います。

 

ユーザー体験の追求が、キャリア実現に繋がる

ーーIndeedの強みをどんなところに感じていますか?

世界60ヶ国以上でサービスを展開し、プロダクト自体の規模が大きいこと。そして、様々なアルゴリズムを駆使しながら、UX(ユーザー体験)をとことん最適化できることが大きな強みです。前職で携わっていたプロダクトは、アプリを開いてそこに結果が出るシンプルな仕組みでしたが、Indeedは複雑なユースケースにアルゴリズムを応用しながら、一人ひとりのユーザーに合わせて最適な体験を提供しています。

今は多くの企業でAIが活用されていますが、Indeedのように機械学習がビジネスの中心に組み込まれている企業は意外と少ないかもしれません。

Derick Anderson sitting by Indeed Sign

これまでは特定のプロダクトを担当してきましたが、今後はIndeed全体で使える汎用性の高い機械学習や、アルゴリズムを改善していきたいと思っています。新たなエンドツーエンド深層学習*で、システムを最適化していくことにも取り組んでいきたいです。そのためには、現在携わっているプロダクトで確かな実績をつくっていく必要があります。

*多段の処理を必要としていた機械学習システムを、様々な処理を行う複数の層やモジュールを備えた一つの大きなニューラルネットワークに置き換えて学習を行うもの。

 

ーーどんなエンジニアがIndeedで活躍できると思いますか?

マインドセットでは仕事への熱意があり、最適なユーザー体験を追求できることが大切です。スキル面ではコーディングや数学についての知識、それからエンジニアとしての柔軟な発想力が求められます。とはいえ、様々なバックグラウンドを持つメンバーが活躍しているので、固定概念を持たず自分の強みを活かしていただければと思います。

Indeedに入社することにより、社会的意義の高い仕事に取り組みながら、バランスの良いビジネスライフを送ることができます。私たちのチームでいえば、機械学習の最適化にとことん取り組むことで、機械学習エンジニアやデータサイエンティストとして、市場価値を大きく高められるのではないでしょうか。