“子どもが生まれる”。そこには、大きな喜びと期待がある一方、「仕事と両立できるだろうか」、「今後のキャリアはどうなるだろう」といった不安や葛藤がつきもの。そうした不安を、現在育児中の Indeed 従業員はどんな風に乗り越えてきたのでしょう

今回は、育休を取得後、職場復帰を果たしている3人のワーママ・ワーパパに集まっていただき、仕事と育児の両立のコツ、復職時に感じていた不安、キャリア観や働き方の変化など、それぞれの視点から実体験に基づいた率直な意見やアドバイスを聞かせてもらいました。現在育児中の方も、周囲に育児中のチームメイトがいる方にもぜひ聞いて欲しいお話です。

Indeedのワーキングペアレンツの働き方

今回お話を聞かせてくれたみなさん

野口英美 Terumi Noguchi – Sales Team Lead

  • 2014年入社。Salesチームに所属。チームリードとして、代理店渉外を担っている。
  • 2018年2月に産休に入り、約2年半の産育休を取得。
  • 甘えたい盛りの4歳になる息子の母。

上山俊介 Shunsuke Kamiyama – Client Success Manager

  • 2017年入社。主に中小企業の採用支援を担う。マネージャーとして、10名のメンバーをマネジメントしている。
  • 2021年6月より半年間のペアレンタルリーブ、育休を取得。
  • 1歳の息子を溺愛中。

市村理 Osamu Ichimura – Sales Senior Director

  • 2016年入社。シニアディレクターとしてSales領域の推進、戦略企画・立案を担いながら、ディレクター9名をマネジメントする。
  • 2022年2月より1ヶ月間のペアレンタルリーブを取得。
  • 3歳と生後6ヶ月の息子を持つ。

 

「自分の居場所はまだあるだろうか・・・」

Q. 産休育休の取得、あるいは育児と仕事を両立していくにあたって不安や葛藤はありましたか?

野口さん:私は2年半の産休育休を取得しました。この変化の激しい会社でそれだけの期間、仕事を離れたので「復職しても自分の居場所はまだ残っているだろうか」という孤立感を抱いたのを覚えています。ただ、休み中に前部署の同僚がSNSのメッセージをしてくれたことが救いになりました。「待っているよ!」といった言葉も送ってくれて。同僚は何気ない気持ちでメッセージしてくれたのだと思いますが、本当にうれしかったしそのおかげで復職することが楽しみにもなりました。

市村さん:私は妻が専業主婦をしているので、当初は自分もペアレンタルリーブを取っていいものかどうかすごく迷いました。ポジション的にも一つの領域を任され、1日に何十通と確認・意志決定を求められるSlackが届く日々を送っていましたから、「自分が抜けたら、この組織はどうなるだろう・・・」と考えてしまったんですね。でも「休んだらどうなるかは、休んでみないとわからない。その結果を検証してみよう」とも思え、育休取得を決めました。実際は、育休を取得してよかったなと思うことのほうが多いですね。

上山さん:私も、一つの組織を任されていた時期に、Indeedのペアレンタルリーブを含め、半年間という少し長めの育休を取りました。ただ、組織を一時離れることに不安はあまり感じませんでした。というのも、現場が自走できるオペレーションを、時間をかけて醸成してきたつもりでしたし、メンバー全員へ「不在のあいだ組織を任せるから、チームリードを筆頭に全員で頑張ってみて欲しい」という機会にもなりましたから。育休は、組織の新陳代謝・活性化を促す機会にもなると感じています。

子育ての大変さをありのまま見せていくことで、より良い職場をつくる。

Q. 子育てと仕事を上手に両立していくために有効な工夫はありますか?

野口さん:育休中より復帰後のほうが、精神的にも健康的なんじゃないかと私は感じています。育休中は、100%子どものことで頭がいっぱいでした。でも、仕事を再開すると“仕事モード”の時間もできます。その切り替えが、いい頭のリフレッシュになっているなと感じるのです。24時間、同じことを考え続けていたら疲れてしまう。仕事時間は、子どものことをひとときだけ忘れて目の前のことに熱中する、そして終業後は全力で家族との時間を楽しむ。切り替えを大切にして、それぞれの時間を丁寧に過ごす、それが私の両立のポイントでしょうか。 

市村さん:「自分がやらなくちゃいけない」という責任感を必要以上に持ちすぎないことが必要かなと私は思います。すべてを完璧にこなすなんてできないし、すべてを自分ひとりでできるわけでもない。それは仕事も家庭も同じだと思います。職場においては、自分自身の働き方をより良く変えていくことは大前提ですが、同僚のサポートや理解を得ることも不可欠だと思います。そのためには、自分が置かれた状況を率直に伝えつつ、事前に家庭の事情も含めたスケジュールを伝えておくなどし、計画的に協力を得ていく工夫が大切だと思います。

上山さん:子育て中の自分の状況や子育ての何が大変なのかを、発信していくことは私も大切だと感じます。自宅からオンライン会議に参加していると、しばしば子どもが泣き出したり、通信中のパソコンにいたずらをしかけてきたりすることがあります。以前までの私は、それを隠そうとしていたんですね。子育てを仕事の現場に持ち込んじゃいけないと思っていたから。でもあるときメンバーが、「子育ての大変さをありのまま見せてくれたほうが自分たちも理解が広がるし、お互いに歩み寄りながら仕事をしていきたいと思えるようになります」と言ってくれたんです。ありがたい言葉でしたし、隠さず伝えることは職場環境を整える意味でも良いことなんだなと教えられました。

 

自分は、何のために働くのか。どんな人生を歩んでいきたいのか。

Q. 子どもが生まれる前と後とを比べて、自身のキャリア観や仕事との向かい方に変化はありましたか?

市村さん:私は、何のために働くのかという根源的な部分が大きく変わりました。以前は、自分のプライドや自己実現といったことのために頑張っていた面が強いですが、子どもが生まれてからは、何のために頑張るのか?と聞かれたら「子どものため、家族のためだ」とはっきり言えるし、子どもに誇れる親であり続けたいとも思う。子どもに誇りに思ってもらうために、自分はどう動けばいいか、何をすればいいかと考えながら仕事をするようになりました。

上山さん:私も親としてどうあるべきかに向き合うようになって、仕事に対する姿勢が変わりました。これまで以上に日々、妥協せず貪欲になろうという姿勢が強くなりましたね。また子育てを経て、時間が有限であることをあらためて感じています。人生は、仕事と育児だけではない。自分の時間も大切だというなかで、自分が何を大切にしたいのか・していくべきなのかという軸を、今一度考えたうえで、働き方や生き方を再構築しています。育児は、自分の生き方を見つめ直す大きなきっかけになったと感じますね。

野口さん:私も、時間は有限だと感じています。そして有限だからこそ自分のキャリアを、より真剣に考えるようになりました。今後、子どもが増えたときのことも踏まえ、限られた時間をどう使っていくべきか。自分はどんな人生を歩みたいのかという深いところまで考えながら、仕事をするようになりました。将来を考えると「もっと学びたい!」という気持ちも膨らんできて、社外で学びの時間をつくったり、新しいことにチャレンジする機会も意識してつくるようになりました。

*みなさんの一日スケジュール

 

Indeed parents day to day schedule

自分にとって、家族にとって、一番の選択は?

Q. 最後に、ワーママ・パパからアドバイスやメッセージをお願いします。

野口さん:子どもの成長はあっという間です。その成長に寄り添い時間を共にすることは、他に代え難い気づきを見出す機会になり得ます。そして育児は、思っている以上に自分を成長させてくれる時間でもあり、自分の可能性を感じさせてくれる機会でもあると私は実感しています。不安もあるかもしれませんが、社内制度や社外の様々なサービスなど、活用できるものも意外と多い。是非、いろいろな制度を有効活用してみてください。

市村さん:育児も重要な仕事であり、ミッションだと思っています。ただし、完璧にこなすことはおそらく不可能。完璧にこなせないからこそ、家族でしっかり役割分担をしたり、職場の仲間たちの助けを借りたり、あるいは社外の支援を活用しながら頑張って欲しいと思います。仲間の助けを借りたり、社内制度を活用することに、うしろめたさを感じたり、遠慮する必要もいりませんから。

上山さん:育休をとるかとらないか。それを考える際、休めば休むほど成長機会が減り、キャリアの進展も遠のくのではないかという不安を感じることがあるかもしれません。でも私は思います。5年後、10年後、“どうしてあのとき休まなかったんだろう”という後悔だけは絶対にして欲しくない。もちろん、どんな選択が自分や家族の人生を豊かにするかは、人それぞれです。ただ、人生に何度とない重要な場面で、目先の不安にとらわれた判断はして欲しくありません。長い目で家族の将来や自分の将来を見つめ、最適な選択を見つけ出して欲しいと願っています。